アメリカ医療保険の世界 ⑤

ネットワークの存在、また、アメリカ医療保険の世界 ④でクリニックで診察を受けるのと、病院で診察をするのでは保険計算が異なるというコト、お分かり頂けたでしょうか。

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今までお話ししてきた内容は、ネットワーク内を利用したコトを前提に説明させて頂きました。それでは、ネットワーク外、Out Of Networkの場合はどうなのでしょうか。



今回は、先ずURC(Usual, Reasonable and Customary)もしくは、UCR(Usual, Customary and Reasonable)という保険用語をご紹介します。URCとUCRは同じ意味です。

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保険会社はAllowed Amount(認可額)を算出します。その金額を決める基になるのがURC/UCRなのです。アメリカは大国です。同じ治療でも、区域によっても医療費価格が大きく異なります。URCは、その区域のおよそ7割から8割のプロバイダーが使用している数値を目安とします。URC70と保険契約プランであるとすると、Allowed Amountは7割のプロバイダーが使用している金額というコトになります。

例)
Out of Network Benefits:          
Deductible     – $1000   
Co-insurance –   70%
URC/UCR      –   70

Out of Networkの場合、クリニックを利用してもDeductibleの対象となるプランが一般的です。仮に上記のプランで、既にDeductible$1000に到達していたとして、別のClaimが上がってきた場合、以下のようになります。

Charge    Allowed Amount   Over URC     Patient Responsibility               Amount paid
(請求金額)      ( 認可額)      (超過額)          ( 患者合計負担額) ( 医療機関に支払われた金額)
$1000   $800     $200    $440($200+$240)        $540

だんだん数学の時間になってきたみたいですみません(笑)。

Allowed Amount$800と査定された場合、超えた$200は保険の対象にはなりません。保険会社は、あくまで$800の70%を支払うコトになります。

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ここでさらに留意して頂きたい点は、手術等の場合、医師や病院施設がネットワーク内であったとしても、麻酔科師は、指定することも出来ませんし、ほとんどの場合ネットワーク外です。病院を利用するにあたっては、それぞれのプロバイダーから請求書が上がってきたり、ネットワーク外の請求書が上がって来たりと、戸惑うかも知れません。

アメリカ医療保険の世界、かなり複雑です。ここでご紹介している内容が、少しでもお役に立てれば幸いです。

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